一括査定サイト利用の注意
マンションを売ることになって不動産屋さんに相談。
いよいよ売却スタート。
価格は不動産屋さんが持ってきた査定額をそのままに。
この不動産屋さんは何社か査定をとった中で一番高かった。
誠意もありそうなのでお願いした。
売却から2週間が過ぎた。
不動産屋さんから電話。
「売れないから値段下げましょう」
『え?』
実はこんな話、よーくあるんです
僕への相談でも「売りに出してすぐに不動産屋さんから値下げの話が」という話が多いです。
実はこれ、共通して言えるパターンとして
『一括査定サイトを利用した』という背景があります。
一括査定サイトが悪いとはいいません。
しかし一括査定サイトは売主が「正確な査定額を知る」こととは別です。
売主として、そこでいい不動産屋さんを見つけたいという思惑があるでしょう。
同時に不動産屋さんは「売主を見つけたい」と思っています。
互いの思惑が合っているような気がしますが、問題は
『1人の売主が、複数の不動産屋さんに査定を依頼』というバランスの問題です。
不動産屋さんの心理
当然売主の立場としては、誠実かつ高く売ってくれるところを探します。
その気持ちを不動産屋さんは知っています。
しかし、その売主さんを捕まえる逆の不動産屋さんの立場になってみましょう。
さあ、一括査定サイトから査定の依頼が来た。
「あー、来てるな。いいマンションだな。これはうちで売りたい。」
「でもこれ当然A社やB社も査定だすもんな」
「とりあえず高めで出して『まずはアポを取る』か、最終売りに出してから下げればいいし」
そうです、まず売主との交渉権を得るためには「売主が選ぶ不動産屋さんの1つ」にならないといけません。
またどんなに誠実は不動産業者がいても『売主と会わないと誠実さは伝わらない』のです。
もちろん多少はメールのやりとりで分かりますが。。。。
ようは、『不動産屋さんの立場としては、まず売主とアポを取るためにも複数の不動産屋さんの中から自社を選んでもらう必要がある』ということです。
そしてその方法は不動産においては『高めの査定を出して気を引く』ということになるのです。
一括査定サイトが悪いわけではない!
もちろんすべての一括査定サイトに登録している不動産業者がそうとは限りません。
しかし、もし僕がとある不動産会社の管理職で、そうした一括査定サイトに登録していたとしましょう。
多分「とりあえず高めに出して、会ってから細かい話をしてこちらの誠意を分かってもらえ」と指示します。
このように、一括査定サイトが悪い!ということではなく、システム上不動産屋さんも「そうせざるえない」。
だから売主の立場としては、ある程度そういうことも考慮に入れたうえで利用すればいいのです。
世の中は確実に便利になっています。
しかし、その分「情報を見分ける力」が必要になっているとも言えるのです。
是非参考にしてくださいね。