事件・事故のあったマンションを売る
2017-12-28
事故物件とは?
「事故物件」という言葉を聞いたことはありませんか?
そうです、事件や事故のあった物件。
ご存知のこととは思いますが、もしあなた売ろうとしているマンションでこのようなことがあったら?
もちろんご自身の部屋でなくとも、他の部屋で発生したら売るときにどうなるのか?
今日は非常に難しい問題ですが、お伝えしておきます。
売主として買い手に伝えなければいけないこと
まず、こうした事故物件についてですが僕らの世界では「心理的瑕疵」ともいいます。
心理的瑕疵とは
『物件そのものに瑕疵・欠陥があるわけではないが、過去に自殺者を出していたり殺人現場になっていたり、あるいは墓地や宗教団体の施設が隣接していたり、といった、借り手や買い手が強い心理的抵抗を感じやすい条件があることを指す語』
とネットには書かれています。
具体的には「自殺者の出た部屋」や「殺人事件のあった部屋」など。
また最近ではインターネットにも事故物件サイトなどがあります。
もし皆さんが買い手の立場であれば、そんな心理的瑕疵のある物件はいかがでしょう?
一般的には「やめとこ」という人が多いです。
中には「気にしない!安くなるならいい!」なんて人もいます。
とはいえ、やはりこの問題は売主にとって大きな問題です。
なぜならこの心理的瑕疵は買主に伝えることとなっているからです。
しかし、微妙なのが「告知義務」ともいえないのです。
原理原則は買主の不利となる条項は伝える義務がある
例えば実際に皆さんが売る部屋でいたましい事件があったとすれば、当然告知する義務があります。
しかしここで問題になるのが「程度」と「感じ方」の話なのです。
こんな場合どうでしょう?
『売るマンションの部屋でお母さんが老衰で亡くなった、ただし一人暮らしだったので死亡後半日後に発見された』
事件性がないのです。
またこんな場合も
『売るマンションの屋上から飛び降り自殺があった、自殺した人は全く関係のない人』
他にも
『隣の部屋で孤独死の人が死後2週間後に発見された』
どうでしょう。
微妙なラインと思うでしょうね。
どこからどこまでが告知義務なのか?
そこで先日とあるマンション問題に詳しい弁護士さんに聞いてみました。
「上記のような場合、売主の告知しなければいけないのでしょうか?」
弁護士さんはこう言われました。
『あとで聞いた買主、借り手がそれを瑕疵と感じるかどうかがポイント』
・・・・・。
・・・・。
・・・。
・・。
・・・・・微妙ですね。
実はこの部分は法的にすごく微妙なラインなんです。
今回は事件事故で言っていますが、こんなパターンもあるのです。
『隣の住人がガラが悪い、変な輩が出入りしている』
これでその隣の住人が本当に「反社会的勢力」であることが分かっていれば告知しないといけません。
しかし微妙なレベルの人であれば、逆に「名誉棄損」になりかねないのです。
ようは、この心理的瑕疵の告知義務のポイントは本当に微妙なのです。
では売主としてどうすればいいのでしょうか?
これは「知っていることは、売却を依頼する仲介業者には伝えておく」ということです。
自分自身で判断しないほうがいいでしょう。
あとは不動産屋さんのプロの判断が必要になります。
今回の事件のようにあからさまにニュースになり、物件がテレビにもたくさん映るようなことになれば逃れられないでしょう。
しかし、世の中では大きなことでなくとも、小さなことはたくさん起こっているし、当然家の中で起こることが多いのです。
ですので、もしあなたのお部屋・お家、また近隣であった場合はまず不動産屋さんに伝えておきましょう。
ただし、おまけですが。。。。
1つ救いの話をしておくと、当然あなたのマンションを買おうという方は「その地域のことが分かっている人」がほとんどです。
よって、事件があったことも分かったうえで探している人になります。
とはいえ、言わなくていい!ということではありません。
さらっと言っておくことで、さらっと「そうですか」で終わることも。
逆に言えば「言っておかないこと」のほうが後々大変になります。