前回は「買い替え」をする場合は、売ったと「買う」のか「借りる」のかよく考えてください。
という話をしました。
その理由は「今後さらに家が売りにくくなる」からですね。
何故かについては前回のメルマガで学んでいただければと思います。
http://ameblo.jp/kobe-fudousan/entry-10238261060.html
そこで今日と次回で、どのような状況であれば
「買えばいいのか」「借りればいいのか」
これについて話をしたいと思います。
まず「こんな人は買ってはいけない」というパターンからお話しましょう。
いろいろ見方があるのですけど、まず第一は「お金」の話です。
その昔、日本の不動産と言うのは「当たり前」に価格が右肩上がり。
だから「地主」や「不動産大家業」の方々はなにもしなくても「所有するだけ」もってる不動産の資産価値が上がっていたのです。
その後、バブル崩壊後日本の不動産は2,3年前に一時的に持ち直したものの下落傾向か横ばいの状態です。
よってまず「基本的なこと」ですが
「家は確実に値下がりすることを認識し、経済的に耐えられる人」しか買ってはいけません。
一部の不動産においては値上がりするもののあると思います。
しかしそれ以外のほとんどの不動産は値下がりします。
ここをしっかり認識しましょう。
家を買うときに現金で買う人はほとんどいません。
大抵の方が住宅ローンを利用します。
そしてこの時「元利均等払い」の住宅ローンを組む方が多いです。
もし、あなたが自分のお住まいを住宅ローンで買われたのなら、よく分かると思いますが、住宅ローンの元金はなかなか減りません。
これは「元利均等払い」の宿命です。
「元利均等払い」は
『はじめ利息の支払いが多く元金の支払いは少ない。 最後は元金の支払いが多く利息の支払いは少ない。』
という仕組みになっています。
よって、ローンは返すけれど当初は中々元金が減らない仕組みなのです。
仮に3000万円を現在の店頭金利2.475%で30年ローンで借りたとします。
毎月の支払額は118,146円です。
初回の支払の118,146円の内訳は
金利返済:61,875円
元金返済:56,271円
となっています。
マンションは買ってから10年ぐらいで売却する方が多いのですが、
では、10年後に3000万円借りたローンはいくらに減っているでしょう?
正解は22,347,272円
30年ローンの3分の1の期間を支払って、減ったのは25.5%です。
ちなみにこれがよくある35年ローンだともっと元金は残っています。
また将来売却するのであれば当然手数料も必要になります。
こうした住宅ローンの仕組みも考え分析すると
【買って10年後売る場合、その時の市場価格が購入価格より20%下がっていれば、売っても住宅ローンを完済できず自己資金を返済にあてる必要がある】ということです。
もちろん、これは住宅ローンの借り方によって異なります。
あくまで参考の話としてです。
しかしはっきり言えることは、新しい家を買いかえる場合は
「値下がりリスクを考えた上での資金計画が成り立つ人」
で、なければ買ってはいけないということになるのです。
現実に最近私のところに相談に来られる方の多くは
「売っても住宅ローンを全額返せない、自己資金も無い」ということで
「売りたくても売れず苦しんでいる人」が増えているのです。
しかし不動産には「個別性」があります。
現実に今の市場の中でも売れるマンションは売れます。
また値段が大きく下がっていないものもあります。
これまで私がたくさんのマンション売却に係わる中で知った「売れやすいマンション」というのがやはりあります。
「買い替え」のノウハウの一つとして
「どんなマンションが値下がりしにくいのか」
を次回お伝えしたいと思います。