「買えない買主」がいることをあなたはご存知ですか?
現在売却を依頼されている神戸のマンション。
その売却のときの「話」を今日はお伝えします。
売主様の希望もあって、高めの値段をつけているこのマンション
早く買主が見つければいいな~と思っていたところ、ある不動産屋さんが買主を内覧に連れてきました。
その時はザーッと見て帰った買主さんと不動産屋さん。
後で聞くと結構買主が気に入っているとのこと。
それから2週間後、同じ買主が再度内覧したいということで内覧をしてもらいました。
かなり買主は物件を気に入っているようでした。
その日の夕方、買主を連れてきた不動産屋さんから電話がありました。
「いやー田中さん、買主さんすごく気に入っていますよ。」とのこと
これはよかったと私も思い、「ぜひお願いします」と伝えましたが
「ええ、気に入っているのですが。ちょっと・・・相談がありまして」
これはずばり「値段交渉」の話です。
売りに出している価格は3100万円、しかし買主の購入希望価格はなんと2800万円。
事前に値段交渉を視野に入れた値段設定を売主さんとはしていましたがあまりにもかけ離れた価格です。
当然売主としてもNOというレベル。
そこで私は「もうちょっと買主さんに買い上がって(高く買って)もらえないか?」と買主側の不動産屋さんと交渉。
その後なんどかのやりとりがあって、ある価格で合意しました。
しかしその間、私は買主側の不動産屋さんに「しつこく」言っていたことがあります。
それは・・・・
「買主さんのローン、大丈夫でしょうね」
今回こうした形で話が進んでいます
売主→私 ⇔ 買主側の不動産屋さん←買主
よって、買主の与信や収入についてはコチラは直接聞くことができません。
だから買主さん側の不動産屋さんに何度もしつこく私は聞きました。
「買主さんのローン、大丈夫でしょうね」と。
買主側の不動産屋さんは
「今回合意した価格は、買主さんの収入からみても大丈夫です」とのこと。
それでも私は半信半疑で確認を続けました。
私は何か「嫌な予感」を感じていたのです。
数日後、その予感が的中してしまいます。
買主さん側の不動産屋さんから電話がなりました。
「あの、非常に言いづらいのですが住宅ローンの審査通りませんでした」
私は「やっぱりな・・・・」というキモチでした。
ローンが通らなかった理由を聞いてみると
「収入とかの以前に個人の信用調査の結果で落とされた」とのことでした。
買主は借入で事故歴があったり債務超過になっていたのです。
「そんなことは、ある程度の事前の買主さんへのヒアリングで分かっていた
ことではないか?」と私は買主側の不動産屋さんに詰め寄りました。
ようするに、この不動産屋さんがちゃんと買主さんの話を聞けていないのです。
しかしもう「買えない買主」の相手をしてもしょうがありません。
売主さんにはありのままを伝え、引き続き売却活動行いました。
もしあなたが売りに出したマンションを買いたいという方が現れ、値段交渉の話があるとき。
まずは、
その買主さんが「買える買主」なのか、「買えない買主」なのか
これ不動産屋さんを通してしっかり確認しましょう。
但し買い手側の不動産屋さんがいる場合は、その方の能力によるので靴の上から足を掻くような感覚になってしまいますが。。。。
あと本来買いたい人が現れたら、売主としては早く契約するほうがいいのです。
なぜなら、住宅ローンの審査は契約してからでもできます。
また買うほうも「住宅ローン特約」があるのでリスクがありません。
買主の気が変わらないうちに契約だけでもしておくべきです。
しかし、今回私は「嫌な予感」がしたので、こんな条件を買主と買主側の不動産屋さんに出しました。
『金融機関の住宅ローンの事前審査が通らないと契約はしない』
なぜ、セオリーを破ってこんな条件を提案したのか?
これについては次回にお伝えします。