契約書のここに注意してください。
今日から3回に渡りあなたが売主として売買契約をするときに注意していただきたい契約上のポイントについてお話したいと思います。
第一回の今日は「手付金」についてです。
手付金とは売買契約の際に「契約書の証拠として」買主から売主に支払われるお金です。
相場はだいたい売買金額の1割程度と言われています。
2,000万円の売買であれば200万円ですね。
そしてこの手付金は契約の相手方が契約の履行に着手するまでの間、解除権を留保し、手付放棄、手付倍返しで解除することができるという趣旨で授受される解約手付という性質も併せ持ちます。
こう書くと分かりにくいのですね。
実際の売買の例に基づいて書くとこうなります。
1、Aさんを売主、Bさんを買主とする売買契約をする。
2、価格は2,000万円、手付金は200万円
3、契約締結したのでBさんからAさんに手付金の200万円が支払われる。
4、最終の取引の際は、BさんはAさんに売買代金から手付金を控除した1800万円だけを支払う。
という感じです。
しかし契約してから最終の取引をするまでに、何らかのトラブルがあり「売ることができなくなった」「買うことがなった」このような理由によって契約をやめると言う場合、この手付金が役に立ちます。
契約書の中に「手付け解除」という項目があるのです。
これは買主であれば売主に渡した手付金を放棄して、売主であれば買主に受領済みの手付金を返還し、同額を買主に渡すことで契約を解除することができます。
これを手付け解除というのです。
売主として気をつけて欲しいのはこの「手付け解除」なのです。
やっと買主が見つかっても手付け解除されたら溜まったものじゃありません。
買主から手付金を受領することで「いくらかの足し」にはなります。
しかし「売る」という目的は達成されません、また新たに買主を探さなければいけません。
では、どのようにして買主から手付け解除されないようにすればいいのか?
その方法は2つあります。
ひとつは手付金を少しでも多めに預かることです。
そうすることで買主は手付金を放棄することがしにくくなります。
だからこそ手付金として売買代金の10%程度を預かることが望ましいのです。
もうひとつは期限です。
手付け解除には期限があります。
「契約から2週間」とかですね、ですから手付け解除ができる期限も出来るだけ短くするようにお願いしましょう。
こうすることで手付金による契約解除をされる可能性が少しでも低くなります。
参考になりましたか?
次回は「契約書注意点 住宅ローン特約」についてお話をさせていただきます。