価値観が違うことを理解してください。
以前ご相談のあったお客様がこんなことを言われていました。
「もう家は空き家にしてある、しかしあるテーブルセットだけは置いている。
非常に高価なものでいいものだけど、引越し先には置けない。
だから置いておいて、価値の分かる人にはお譲りします。」
どんなものか私も見たのですが、これが個性的なものでした。
私は「これは移動させておいたほうがいいですよ」とアドバイスしました。
売主さんは「なんで、こんないいものなのに?」と言われたので、私も「移動が必要な
理由」を説明しました。
売主さんが買主さんのために「よかれ」と思ったことが、買主さんにとっていいとは限らないのです。
なぜ、こういうことを私が言うのか?
それは過去にも同じよう話があったのです。
ある物件を売りに出そうとしたときのことです。
売主さんが資産家であったので、結構値の張る家具を置いていかれました。
私は「どけたほうがいいですよ」と言ったのですが、売主さんは「だっていいものだから」「この価値が分かる人に住んで欲しい」と言われました。
結局家具は置いたまま売りに出すことになったのです。
結果、、、、、、、、、、、。
あるとき見に来た買主さんにこう言われたのです。
「いい部屋だと思ったのですが、私たちはこの家具が置けるような生活ができませんのでお断りします」と。
売主さんが家具を置いていったがために、買主さんは自分のステータスではこのマンションにすむ権利が無いのではとプレッシャーを感じたのです。
売主さんには売主さんの住まい方があります。
買主さんには買主さんの住まい方があります。
なのに、売主さんの住まい方を買主さんに押し付けるようなモノを置いておくことは、買主さんにとってはプレッシャー以外のなにものでもないのです。
エアコンを置いていこう、普通の蛍光灯を置いていこう。
この程度はまったく問題ないでしょう。
しかし、住みながら売る場合は別として、売主の趣味趣向を感じさせるものを部屋に残しておくことは決していいことではありません。
親切心が相手のプレッシャーにもなる場合があるのです。
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