2011年は勝ち組マンションと負け組マンションがはっきりします
最近一部報道では「マンションが即完売した」とか「景気が戻ってきている」等と言われますが、私の実感としては「まだまだ厳しい」のが現状です。
こうした報道に注意して欲しいのは「どこの情報か?」ということです。
マンションが売れているのは東京都心の一部です。
地方都市を見れば厳しい状況は続いています。
「え?でも今は金利も安いし、長期固定のローンも金利が下がって買い時なんでしょ」
確かにこういう意見もあります。
しかしこれは「今後買う人、ローンを借りる人」の情報です。
今資金的な余裕がある人には確かに「買いの時期」と言えます。
ただ、同時にそれは売る側の立場からいうと、歓迎すべき状況ではありません。
買い手が強いのです。
よく考えてください。
もし、世の中不動産が売れるのであれば、こうした「長期固定金利のローン商品」を金融機関が作ると思いますか?
税務上の優遇をしますか?
答えはカンタンです。
こうした措置をしないと、今日本では家が売れないのです。
買い手がすごく優遇される真理なのです。
「マンションが即完売した」とか「景気が戻ってきている」のであれば、金利も上げればいい、税金もしっかり取ればいい。
でもそうしない。
出来ないのです。
また、今水面がでうごめいている日本の不動産市場の大きな問題。
それが私は来年さらに大きな波となって渦巻くと思っています。
それは住宅ローン難民問題です。
競売に掛かる物件が増えています。
よって、買うほうの立場からすれば昔と違い競売でも住宅ローンが使えることを考慮すれば
・新築
・中古
・競売
このように選択肢が広がりつつあります。
売り手の立場からすれば「ライバルが増える」のです。
そして2011年以降、こうしたローン難民が激増すると私が予測してしまうデータがあります。
それは「国民生活センターに寄せられた、住宅ローンについての相談件数」です。
こちらのサイトをご覧ください。
http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/jyutakuloan.html
2005年には1,863件だったローンの相談。
それが09年にはなんと4,449件と約2.3倍に増加しています。
また、2010年も2009年同期と比較すると15%相談件数が増えています。
その相談内容はやはり「ローンの支払が厳しい」というもの、競売についてです。
「ローン難民・競売予備軍」が増えていることを証する1つのデータなのです。
これらのことから、2011年は新築や中古以外にも競売物件での供給がますます増える。
買う側の立場で言えば「じっくりいいものだけを間違いなく選んで買いたい」。
よって、マンション市場も「売れる勝ち組マンション」と「売れない、売れにくい負け組マンション」という構図が出来てしまうのです。
昔は不動産を持っていれば、それで資産になりました。
しかしこれからは資産だと思っていたマンションが「負債」になる可能性もでてきます。
売ることを考えならがも先延ばしにしていた。
もしあなたがそのようにお考えであれば、その考えにメリットはないです。
ぜひ、今日の話は何度か読み返してくださいね。
なお、今回のお話は動画でも用意しています。
http://www.youtube.com/watch?v=_crf4tginkU