投資用と住宅用のマンション価格の違い
投資用マンションを売るときの値段のつけ方
投資用のマンションについてご相談をいただき、価格についてお話すると
「え?そんな金額にしかなりませんか?」
と、驚かれる方がいます。
特に新築でマンション業者の営業で買った人などはそういう風に驚かれる方が多いです。
こういうことが起こるのは、そもそも住宅用のマンションと投資用のマンションでは、価格のつけ方とお客さんに大きな違いがあるのです。
まず、価格のつけ方について住宅は事例法が用いられます。
過去の同じマンションや、近隣の事例をもとに値段をつけていきます。
しかし、投資用マンションの場合は利回りで価格が決められます。
利回りとは、その物件を購入することで得られる収益性のことです。
例えば1ヶ月5万円の賃料が入るワンルームマンションを1,000万円で購入した。
この場合単純利回りは「1年で得られる収入÷購入価格」で求められます。
よって実際の数字を入れると
(月額賃料5万円×12ヶ月)÷購入価格1,000万円=0.06・・・利回り6%となります。
この数字が高ければ高いほど収益性のいい物件、すなわち儲かる投資物件となるのです。
この利回りで価格を見ることでどういうことが起こるか説明します。
同じマンションで同じ間取りの部屋があり、
一方が月額5万円(年間60万円)で貸し出した部屋
もう一方が4万円で貸し出した部屋があったとしましょう。
もし、この両方ともに1,000万円で売りに出した場合。月額5万円の部屋は利回り6%
かたや4万円で貸している方は4.8%しかなりません。
利回りから見れば誰もが月額5万円の部屋を買います。
では、4万円で貸している部屋はどうなるのか?
1つの方法としては、同じ利回りになるような価格で売るということです。
計算式は 年間賃料÷欲しい利回り=売り出し価格になります。
よって(4万円×12ヶ月)÷6%=800万円となります。
同じマンションであっても、賃料からの利回り計算を根拠とするとこのように価格に差が出る、それが投資用マンションなのです。
そして、あとは買い手の意識の違いです。
住宅用マンションは「そこに住みたい」人が自己使用で買います。
しかし投資用マンションを買う人は「そこが欲しい」のではありません。
その「投資利回りが欲しい」ということです。
よって、東京であろうが、地方であろうが、沖縄であろうが自分の求める収益性と合えば買います。
言い換えれば、物件そのものには執着がないのです。
ですので、投資用マンションの場合はまず「収益性(利回り)が安ければ売れない」というのが原則なのです。
これが住宅用と投資用マンションの価格決定の大きな違いなのです。