6月29日に発表された重要なデータ
6月29日に発表された国勢調査の速報値
新著の第一章の原稿を書いていた6月29日。
平成22年度に実施された国勢調査の速報値が発表になりました。
その速報値を見て、私は書きかけの原稿の途中を削除し、書き直しをしました。
どうしても本を読む読者に伝えたいこと、いや伝えなければいけないことがデータにでてきたのです。
それは世帯の形態についての調査結果でした。
この世帯形態というのは、「どういう家族構成で1世帯を作っているのか?」というものです。
昔はおじいちゃんとお父さんと子供、または孫というようなサザエさん的な3世帯での家族構成が多かったです。
しかしここ20年ぐらいは「核家族化」ということで、3世代ではなく親と子の最小限のファミリー構成を1世帯として家に住んでいる形態が増えていました。
あとはいわゆる「一人暮らし」すなわち『単独世帯』でした。
この世帯数の割合について、前回の平成17年の国勢調査では核家族の世帯の割合が一番多かったのです。
しかし、5年の歳月が経ち、平成22年の調査では単独世帯が日本の世帯の中で一番多い世帯となったのです。
言い換えれば、日本は家族と住むよりも一人暮らしをしている人のほうが多いとなったのです。
その数値は全体の31%を超えています。
ようは家の玄関をたたけば、3件に1件くらいが一人暮らしということです。
日本の世帯数は大所帯の三世代家族の世帯から核家族化して世帯数を増やしてきました。
もちろんそれができるのは、日本人が豊かになったからに他なりません。
しかし、その世帯数は今さらなる分裂を重ねています。
これはマンションを売る人にとっては向かい風です。
なぜなら、こうした単独世帯には「家を買う力のある人が少ないから」です。
一人暮らしであれば、買うよりも借りているほうが気楽です。
「なるほど、単独世帯が増えるということは一人暮らしからワンルームの需要が高まるかも!」と思われるかもしれませんね。しかしそうは簡単にいきません。
なぜならワンルームマンションも市場に在庫がだぶついているからです。
借りる立場になって、不動産検索サイトを覗いてみてください。
よりどりみどりとはこのことです。
単独世帯が増えることは、マンションを売る方には決していいことではありません。
そのうちこうしたデータが専門家が分析したものが雑誌などに乗り始めるでしょう。
そうなれば、ますます買い控えを起こす原因にもなりかねません。
ぜひ単独世帯が対象になりそうなマンションをお持ちで、将来手放すことも考えているのであれば、すぐに売りに出しましょう。