『買います』って言ってたじゃないか!!
買うって言ったじゃないか!!
問題です。
あなたのマンションを見に来た人がいました。
その方をAさんとします。
Aさんから「ぜひ買いたい」と申し出があった。
資金の段取りなどを考えるので一週間時間が欲しいといわれた。
その後別の人からも「見せて欲しい」という内覧の話もあったが、Aさんから「買いたい」と言われていたので、他の内覧者は断った。
それから1週間後、Aさんから連絡が。
「いろいろ考えたけど、今回はやめておきます。」
『え?買うって言ったじゃないか!!他の人も断ったのにどうしてくれんだ!』と、あなたは思うでしょうね。
では、こういう状況で法的に訴えた場合Aさんから損害賠償が取れるか?
答えはNO!!です
民法上は不動産であろうが、会社であろうが「売ります」「買います」と口頭で話ができれば契約成立となります。
しかし、現実問題では不動産などの高額商品の場合は「契約書を締結しているか?」が論点となる場合があります。
よって、口約束だけでは訴えを起こしても全面的に勝つことは過去の判例からも難しいでしょう。
では、次のような場合はどうでしょう?
さきほどのAさんの場合で、Aさんから「購入申込書を受け取っていた」
契約ではないが、書面で買いたい旨を記した書類を受け取っていた。
この場合はどうなるでしょう。
実は、ここまでやっていても「契約成立」とはみなされないのです。
いくら買いたい意思を書面で貰っていたとしても、それは契約書とはいえません。
よって、状況証拠として売買成立が締結していたと見なされるほど話が進んでいる場合を除き、書類を受け取っていても契約を締結したと見なされないでしょう。
売主の立場で考えれば、買いたいという人が現れた場合に大事にしたいという気持ちで猶予を買主に与える場合があります。
しかし、それは絶対してはダメ。
上記の通り、いくら話があっても契約していない限り安心はできません。
では、売主としてどうやって買主をしっかり捕まえておくか。
それは、「契約を早くしてしまう」
これに尽きます。
今の社会情勢、非常に将来不安があります。
買主が買いたい気持ちが高まったとしても、周りの家族や親戚という「プロじゃないのにアドバイザー」の皆様が
「やめとけ、今買うのは」
「もっといいのがある」
と売主にとっては悪魔のささやきをするのです。
ですので売主の立場で言うと、買い手の時間を与えることにメリットはありません。
すぐに契約を締結するぐらいの気持ちでいましょう。
もちろんその「仕切り」はやはり間に入っている不動産屋さん。
その辺をしっかり分った不動産屋さん選びと、売主の俊敏な判断がマンション売却にとって大切なポイントなのです。