仲介業者は心配性くらいでちょうどいい



仲介業者は心配性くらいでちょうどいい

社長ブログ

不動産の仲介業をしていると、同業者でもいろんな方がいます。

特にうちのように億単位の商業物件を扱う業者は決して多くないのですが、まあいろんな人がいます。

FAXのFAXで回ってきた資料を持ってくる人や、売りに出していない物件を持ってくる人など。
そんな中で仲介業者でもいろんな性格があります。

皆さんも不動産の売買について不動産業者や僕のような仲介業者に頼む場合は次のことを知っておいてください。

仲介業者は心配性くらいでちょうどいいということです。

仲介業者の仕事はリスクの発見

家などの分かりやすい物件であれば、買うリスクは建物や土地に問題がないか。
これだけです。

しかしこれが大型の案件であれば、それ以上にチェックする項目があります。
目に見えないところまでチェックが必要です。

例えば、賃貸している収益商業ビルの場合ではこんなことが思いつきます。

・権利関係は?
・賃貸契約の中身は?
・解約出てる人とか、家賃の遅れある問題とかない?
・建物の修繕履歴は?
・受水槽の清掃とかちゃんとしてる?
・エレベーター点検の結果は?部品交換など出ていない?
・消防設備の点検してる?指摘事項はない?
・境界どうなってる?
・他人のものが敷地内にない?
・引き継ぐべきことはない?
・管理会社どんなメンテしてるの?
・看板あるけど、あれお金取ってるの?
・テナントとの口頭での約束事とかはない?

さらっと書いただけでもこんなんですが、さらに所有者が複数になるとその調整などもあります。

細かくみないで、物件を持ち込むのは危険

まあ、僕も心配性なのでかなり細かく物件を見てから、買う人には薦めます。
特に収益物件の場合はレントロールと言われる賃貸契約一覧を最初に入手しますが、できるだけ早い段階で賃貸契約の写しも全部チェックします。

理由としては、レントロールに表現されていないことがないか?
また、変な契約がないか?などです。

実体のない賃貸契約

実際に大阪の収益物件であったお話しです。
場所はまあまあですが、築年数と利回りも悪くない大阪の物件情報が回ってきました。
情報の出どころは、だれでも名前を言えば知ってる大手でした。

レントロールを眺め、これは悪くないと思った僕は現場を見に行きました。

大阪まで車を飛ばし、現場をいろいろ見るうちに、大きな違和感に気が付いたのです。

それは借り手がいるはずの1階店舗にテナント募集の看板があったのです。
社に帰って早速、売主側の某大手不動産会社に連絡。

「あのー、1階テナント有で賃料も計上されていますけど、現場いったら誰もいないのですが、、、」

すると、こんな返事が

「はい、あそこは売主の関連会社が借りています。

思わず

( ゚Д゚)<うさんくさ!!

って言ってしまいました。

見せかけの賃料

すべてを疑うわけではないのですが、がらんどうのところを「売主の関係会社が借りている」というのは胡散臭いです。
ようは、賃料がたくさんあがっているように見えれば、表面的には利回りも高くなります。
しかし、その実態は見せかけで売れたら退去されるなんてことがあるのです。

ここで役立つのが心配性の性分なのです。
単純に「これだけ入居者がいまっせ!!」と言われても、「ほんまに大丈夫?」と見るようにしなければいけません。

ちなみに、見せかけの賃貸契約ではないか確認する方法

これは実は簡単です。
賃貸契約書の原本を確認させてもらうのです。
もちろん、見るべきところがあります。

1,いつ頃契約しているか?

新築物件でもないのに、契約開始が最近のものばかりだと不安です。
無理やり作ったのではないかと。

2,契約書が全部一緒

通常ワンルームなどでは、契約にたくさんの仲介業者がいますので当然「仲介する会社が様々」です。
よって仲介業者により少しずつ契約書の作成も変わります。
それが全部統一されていて、かつ仲介業者も1社しかないとか、直接契約ばかりとなると「?」となります。

3,細かいその他書類

一言賃貸契約といっても、様々な書類があります。
費用明細や、保証会社への審査回答書類などですね。
また鍵の引き渡し書類もあります。
とりあえず形だけ作った契約にはこうしたものがない場合もあります。

このようにみるべきところはたくさんあります。

こんな不動産屋さんと付き合え!

いろいろ書きましたが、結論をまとめるとこうした細かいところに気が付く不動産屋さんと付き合いましょうということです。
雑な仕事でもいい物件をもってくる人も確かにいますが、まあまあトラブルになりがちです。

不動産屋さんは買主、また売主にとっても売買の間を取り持つだけでなく、こうしたトラブルを未然に防ぐプロフェッショナルでありたいものです。

そういう意味では 不動産屋さんは「心配性」で「気にしい」くらいでちょうどいいのです。



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