裁判した話とトラブルから身を守る方法



裁判した話とトラブルから身を守る方法

不動産を買う場合、まずは購入申込書を日本の場合は出します。
僕の大好きなハワイの場合は、これを「オファー」といい、契約書に変わるものほど重要な書類になります。

日本の場合はまず購入申込書を売主に提出し、合意されてから後日売買契約を締結します。
よって、イメージ的には日本の購入申込書は「第一交渉権の獲得」みたいな扱いになっています。

しかし、民法522条では「契約の成立はお互いの意思が合意した段階で成立だぜ」となっています。
じゃあ、本来口頭でも「この不動産をいくらで買うわ!」「OK,売る!」となれば契約成立のはず。

でも、実務の中ではその意思を書面にした購入申込書でさえも契約成立とみなされない場合が多々あります。

大根1本は良くても不動産がダメ!?

民法だけ見れば、売主買主が合意していればいい。
皆さんがスーパーや八百屋に買い物にいく。

大根1本買うのに、契約書は作らないであろう。
でもお金を払って買っている。
契約が成立しているのだ。

親父が持っている家を、親せきに1千万円でお互い合意して直接売買した。
契約書もない、口約束。
お金ももらって、登記も移転した。
これは立派な契約である。

しかし、こと不動産の場合お互いが売る!買う!って言っても成立と見なされないことがほとんどだ。
特に仲介業者がいる場合は、今度は宅地建物取引業法で契約書を作って仲介業者と宅建士が記名押印するルールとなる。

他にも、建築の請負契約や金額の大きなものは契約をまく。
モノでなくとも顧問契約や雇用契約も契約書をつくる。
トラブった時に大きな問題になるものは、書面でぴちっとやっておけ。
そういうことである。

もし、ちょっとした買い物でも契約書がいるなら大変

逆にすべてにおいて契約書が必要であればそれはそれで大変だ。

例えばスタバにいく。
そのときに「フラペチーノ頂戴!」ってお願いしたらこうなる。

僕「ラテが欲しいんだけど」

店「ではこちらのラテ売買契約書にサインお願いします!」

僕「あ、ミルクを豆乳にしてくれる?」

店「え!ではもうサインしちゃってるのでもう一回契約書ソイラテで作り直します。」

僕「はい、サインしたよ。あ、あとチョコチップも追加で入れて!」

店「え、、、、、もう特約に手書きで追記で修正印でいいですか。。。」

非現実的でしょ。
だから簡単な取引は契約書がいりませんが、大きな取引は書面交わしておけ、でないと成立したと見なさんぞ!というのがざっくりした見解であり、それを補完する意味で細かい業法などで書類作成の義務を課していたりするわけです。

契約書が無くても契約が成立した話

ここまで読むと「では不動産の売買はやっぱり契約書いるよね!」ってなるのですが、実は契約書が無くても契約が成立していたという判例があります。

へぇ~、田中さん。判例まで把握してるなんて勉強家やか~。
そう思われるかもしれませんが、どっこい。
なぜ、僕がそんな判例を知っているか?というと

自分自身がその裁判やったから。

それに他なりません。

契約書が無くても契約が成立した

通常不動産の売買の場合契約書がないと成立したといえない場合がほとんど。
でも、まぜ僕が昔経験した裁判では「契約成立とみなす!」と裁判所が認めたのか?

ちなみに、僕が訴えたほうでした。

理由は簡単です。
「契約が成立していた」と見なされる要件がたくさん整っていたからです。

この契約は簡単にいうと、日程を確定しその日に売買契約もお金の取引も全部一発でおこなう話でした。
しかし、当日売主が来ず、さらに約束していた時間に他者と売買して売ってしまったということでした。

そんな状況でしたが「契約が成立していた」と見なされる要件がたくさん整っていたからうちの取引が裁判所に認められたのですが、いったいどうやったのか?

状況証拠をつくっておいた

まあ、それは簡単な話で、メールの履歴で契約の約束をしっかり確認し、司法書士同士も打ち合わせをさせて誰がどう見ても、その日契約するし取引もするという状況をつくっておいたからです。

これは大きな要因であり、また単純かつ大事なことなのです。

不動産売買だけでない

結局、何が言いたいかというと皆さんもいろんな仕事で常に「状況証拠」を作っておくことが大事です。

特に一番しょうもないのが「言った言わない」です。
ちなみにそうならないように、僕がしている方法を1つ教えると

「すいませんー、出先なので要件メールでください」です。

日付、時間、内容、誰からをメールは抑えられます。
あと、人に説明するときは必ず書面を作成して口先で説明するのはしません。

この書類作って渡しましたよね。って言えるからです。

トラブルにならないためには「常に確認」が第一で、かつそれを証拠の残るものにしておくようにしましょう。



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