〇〇な『はず』は不動産取引に一番危ない思考
不動産のことでご相談を受けることがあるなかで「もっと早く言っておいてよ」ということがあります。
例えば、契約でも「この書類にハンコついたけど、どうしたらいい?」ということがあります。
また、貸主の立場として契約を進めるなかで、直前になって「実は〇〇が壊れていたんやけど」なんてことも。
不動産において大きなトラブルになるのは、発覚して対応が遅れた場合です。
その根幹にあるのは「〇〇な『はず』」という思い込みです。
「はず」が危ない
不動産の仕事をしていて危ないのは、一般の方が不動産の話を進める中で「かもしれない」が多いことです。
売れる『はず』
貸せる『はず』
直せる『はず』
契約途中でやめることができる『はず』
基本不動産の話で、僕らプロからすれば『はず』はあり得ません。
とはいえ、契約までにすべての事象がシロクロはっきりしない時もあります。
その時は契約書で「これがこうなったら、こうしましょう」と決めておくのです。
住宅ローン特約や、その他特約
具体的に分かりやすい話が「住宅ローン」です。
住宅ローンは事前審査などもありますが、「契約書が完成して、本審査」となります。
よって、契約して本審査する前に「事前審査」なるものがありますが、先ほどの理論でいうと
「事前審査が通ればローンの本審査も通るはず」
しかし、現実に私も関わった事案で「事前審査が通ったけど、本審査で落ちた」とういことがあるのです。
ですので、住宅ローンを使う場合は必ず契約書に「ローン特約」があります。
「〇月〇日までに以下のローンが通らなかったら契約は白紙ね」と。
そうすることで、『はず』を『はずが外れたらどうする』と解決するようにしています。
リアルで目で見たことしか信用しない
そういう意味では、意外と私は仕事においてはかなり現実主義です。
というか、そうせざる得ません。
事業用の不動産を扱う仕事をしていると、いろんな情報があります。
それは「はず」だけでなく、「らしい」とか「って言ってる」も入ってきます。
自分のお客さんが「欲しい」とか「買いたい」と言っても、かなりいろいろ聞きます。
そして「書類」として意思を出してもらうまでは、細かく細かく説明します。
かなり面倒な不動産屋ですが、結果としてそのお客さんを守ることになるのです。
仲介業者として、「これでいけるはず」が一番危ないのです。
「口が達者」「話がうまい」のがいい不動産屋さんではありません。
「〇〇なはず」を言わないのが、いい不動産屋さんです。