第164回 最近のマンションの売れ行き
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今日はですね前回に引き続きまして「これからの日本の不動産市場」これについてお話をしていきたいと思います。
前回お話したのは、今の日本の不動産市場は取れすぎた魚であり、売り物がたくさんあるのに対して買う人が少なくなってるよという状況である。
これが中長期的に続く買い手市場だという事をお話させて頂きました。
で、今日はですねこの裏付けの話の前半戦をお話させて頂きたいと思います。
まずですね、08年3月まで07年の4月から08年3月までの約1年間で首都圏で売りに出されたマンションの数が15万件とあります。
それに対してですね、売れた数というのが約3万件。
5件に1件しか売れてないという状況が実はあります。
もちろんですね、この売りに出した物件というのはある程度重複してる物件もありますので、まあ仮に仮に半分の登録件数だったとしてもですね、それでも2.5件に1件は売れないって事になります。
こういった深刻な状況は首都圏だけではなく関西においてもですね、同じような数字が上がっています。
また更にですね問題になってるのは、新築マンションが売れてないという問題。
首都圏の新築マンションの契約件数はですね、契約率はですね08年7月の場合で 53.3%。
近畿圏においても56.3%という事で同じく50%台。
新築のマンションが半分しか売れない、こういった状況です。
これはですね新築マンションが売れないって事が次にどういった問題を起こすかというとですね、中古物件を売ろうとしている皆様に大きなダメージが加えられます。
よくですね、新築マンションが売れなかったら中古マンションが売れるだろうって事を言われるんですけども、決してそうではありません。
何故かと言うと、新築マンションを売ってるのは個人の方ではなく基本的にはマンション会社さんです。
マンション会社さんはマンションを建てて売るというのを事業としてやってますので、当然お金を銀行から融資を受けてやってる訳ですね。
この融資なんですけども、融資を受けて物を建てて売るというサイクルで動いているマンション会社さんとしては、この融資が途切れる段階で会社の動きが止まってしまう。
即ち、潰れてしまうという事になる訳です。
しかし、銀行としても今企画しているプロジェクトの物件が全部売れない事には融資を止めるよという風になってますので、マンション会社さんとしてはですね値段を下げてでも売りさばかなくてはいけないという運命にあります。
依ってですね、売れない場合は値段を下げてでも売るという状況になってくる訳ですね。
となればですね、家を買う人からすれば中古マンションもあるけれども新築マンションも値段下がってきたから、ちょっと足せば新築買えるんだったら新築買おうかって事になる訳ですね。
依って、中古物件を売る人にも非常に厳しい時代が来る事が言えると思います。
次にですね、更にこの買う人が減っていくという厳しい状況がありますので、これについては明日またお話したいと思います。