第310回 管理費・修繕積立金の滞納のあるマンションの売却
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売ろうとしているマンションに管理費や修繕積立金の滞納がある場合、これはどのように処理されていくのか。
これについてお話をしたいと思います。
例えばですね、ちょっと例えが良くないかもしれませんけども、あなたがお持ちのマンションがある。それでですね、毎月毎月の支払が大変になったので売却をすることになる。
ただ、その時に毎月の支払がしんどいということで、実は管理費や修繕積立金をちょっと滞納していたということがあるとしましょう。
そしてですね、このマンションを売る場合にどういう問題があるのか。
これについてお話をしていきたいと思います。
まずですね原則的なルールとしましては、滞納したままマンションを売ることはできます。できます。
ただし、買った方というのはその滞納のあった分を負担しなければいけない。
即ち、そのマンションに住むうえで守らなければいけないルールというのを当然売主から買主に引き継がれますので、その管理費とか修繕積立金を払う義務を新しい買主さんは負うことになります。
ただですね、一般的には売買をする時に重要事項説明書というものがですね物件の説明書がありますので、その中で「この物件にはこれぐらい管理費の滞納がありますよ」「この程度の修繕積立金の滞納がありますよ」ということは全部明るみになります。
依ってですね、買う人もそういった修繕金とか管理費とかにですね滞納があれば「いくらぐらいこの人滞納があるんだな」っていうことは当然分かる訳ですね。
となりますと、例えば売買価格が1500万円としましょう。
仮に、一年近く溜めていた管理費と修繕積立金の滞納が30万円あったとしましょう。
そうなりますと、一つの方法としては売主さんが取引の日までに全てお金を用意して管理費、修繕積立金の滞納を全部払ってしまうのが一つ。
そしてもう一つは、滞納したままで売却をするけども管理費と修繕積立金の滞納分と売買価格を精算するという方法があります。
ですから、例えば1500万円のマンションで滞納している金額が30万円あれば、1500万円から30万円を差し引きまして1470万円の現金の授受だけがされるというような形ですね。
ですので、滞納している状態でそれを返すお金もない。
ただ、売ればそれを返せるんだという状況であれば、そういったですね売ってから精算するという方法もあるということを知っておいて頂きたいと思います。
また、買う方もですね、その滞納がある物件だから不安だということではなく、ちゃんと不動産屋さんが「いくら滞納がある」ということを明確にしてくれますので、それを考えたうえでですね精算できる金額なのか。
または、もう売買価格そのものをそれを理由に交渉してしまうのかという方法はいくらでもあると思いますので、あまり心配なさらずに売買の方、管理費の方滞納があった場合ですね売買ができるということを売主、買主ともに知っておいて頂ければと思います。